eMMCとは?タブレットのストレージがeMMCだったら動作は快適か
タブレットの性能表を見ているとストレージの項目に「eMMC」と記載されていることがあります。
特にWindowsタブレットでよく見かけますね。
eMMCとは「embedded Multi Media Card」の頭文字を取ったもので、「埋め込み型マルチメディアカード」のこと。
マルチメディアカードというのは、SDカードやメモリースティック、またはUSBメモリなどのような記憶媒体(フラッシュメモリ)を指します。
つまりeMMCは、機器に埋め込まれたフラッシュメモリのことと思って間違いありません。
eMMCの特長として、小さく、安価であることがあげられます。
そのため、タブレットやエントリークラスのノートPCによく使われるようになっています。
さて、このeMMC、実際のところ使えるのでしょうか。
eMMC搭載タブレットは使えるのか
データを保存しておけるストレージには大きく2種類あり、磁気を使ったディスクによるものと、半導体を使ったフラッシュメモリによるものです。
パソコンのストレージといえばHDD(ハードディスク)が主流でした。
今でもまだまだHDDを搭載しているパソコンは数多くあります。
ですが、スマホやタブレットでHDDを搭載しているモデルというのは聞きません。
※その昔、小型HDDを搭載したガラケーというのがあったのを思い出します。
スマホやタブレットで使われているのはフラッシュメモリです。
フラッシュメモリはHDDと比べて読み書きが早く、ディスクの回転音がしないというメリットがあります。
eMMCとSSD
eMMCとSSDはどちらもフラッシュメモリの規格の1つです。
SSDは特にデータ転送の速度が速く、使えなくなったパソコンのHDDをSSDに取り替えるだけで劇的に復活するといった話があるぐらい、パソコンの処理性能をあげる役割を持ったストレージと言えます。
反面eMMCは「HDD以上、SSD未満」と言われるデータ転送速度のストレージです。
そのため、エントリークラスのノートパソコンでeMMCが使われているものだとSSDが使われているものに比べて動作が遅くなると言われています。
そのうえeMMCはあとからSSDに変更するなどができない(基板上に直接メモリがついている)ので、「安いeMMCモデルを買って、あとからチューニングしていこう」というわけにはいきません。
とはいうものの、HDDほど体感できる遅さというわけでもなく、また、タブレットという性質上、大きなデータを書き込んだり読み込んだり繰り返すという事が基本的にない事を考えれば、eMMCであることがそこまでネックにはなりません。
iPadのストレージは?
ちなみに動作が軽快であるAppleのiPadはどんなストレージを使っているのか気になったので調べてみましたが、「フラッシュメモリ」という記載があるだけでSSDであるとかeMMCであるとかの言及はありませんでした。
※おそらくはそのどちらでもない、Apple独自のeMMCなのではないでしょうか。
そもそも端末の動作快適性を決めるのはストレージの転送速度だけでは決まりません。
特にAppleのSoCはiOSに最適になるよう作られているため、他の端末よりも低い性能のCPUやRAMだったとしても快適に動作することがわかっています。
こういった点からも「eMMCだから敬遠しよう」ということは考えなくてもよいのではないかと思われます。