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なぜコア数も周波数も高いAtomがCoreMに性能面で負けるのか

最近、ラップトップに搭載されているCoreMというSoCが気になって、少し調べたところ表題のような疑問に辿り着きました。

Core-M3-6Y30というSoCは2コア0.9GHzというコア数、周波数のCPUが使われていて、一見するとかなり昔のCPUを彷彿とさせるスペックに見えます。
対してGPD-WINなどにも搭載されたAtom x7-Z8750は4コア1.6GHzといった数値です。

両者のベンチマーク結果を見ると、Core-M3の方がAtom x7に比べて1.5倍近い性能を見せていました。
[参考]ノート(モバイル)用主要CPUをベンチマークで比較 | COMPARE

僕がパソコンの勉強をしたのが15年前ぐらいの話なのですが、その頃読んだ雑誌では「CPUの性能はコア数とクロック数で決まるぜ!」のような記載がありました。
もちろん初心者向けにわかりやすくそう説明してくれたんだとは思いますが、その感覚でいると今回のようにCore-M3とAtom x7の量マシンがあった時に安易に後者を選んでしまいがちです。

なぜスペック上の数値が高いAtomがCoreMに性能面で及ばないのか、僕なりにまとめました。

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僕らはスペックの一部分しか見ていない

実は僕みたいに昔にCPUのお勉強をした人ほどコア数とクロック数に踊らされる傾向にあるそうです。
というのも、昔の雑誌や家電ショップなどがこぞって「CPUクロック〇GHz!!」のような煽りで性能を誇示していたからというのがその理由です。

パソコン初心者にとってはそれが一番わかりやすい基準だったんですよね。
僕はこういうのは「優しい嘘」であって、世の中には必要なことだと思っています。

たとえば小さいころに「お薬を飲めば治るよ」と言われたこと、大人になったら「薬を飲んでも根本的に病気が治るわけじゃない」ってわかるものですが、知識がまだまだ足りない子供には短絡的に教えなければ理解できないという親から子への優しさだったんじゃないかと思うわけです。

大人になった今、僕らが知るべきことは「CPUスペックはコア数とクロック数だけでは決まらない」という点にあります。

世代の違い

まず一番単純なのはそのCPUが作られた世代の違いです。
深いことは考えずとも、世代が新しいCPUなら性能が高くなる傾向にあると言えます。

たとえばSkylakeよりはKabylake、BaytrailよりはCherrytrailといったように。

これもあくまで初心者用にわかりやすく言えばそう、というだけで、実際にはプロセスルールと呼ばれる配線幅の違いとか、CPUが積んでいるキャッシュ容量の違いとか、その効率性とか・・・いろいろ違うみたいなのですが僕には説明できるほどの知識がありません。
なので、「世代が新しいものは概ね性能が高い」と思っておくことにします。

キャッシュの違い

CPUには処理を置いておくための「キャッシュ」と呼ばれるメモリ領域があります。
メモリというのは勉強をする時の机の上みたいなもので、そこに参考書やらノートやらを置いておけばいちいち本棚に参考書を取りに行かなくても済むようになるので勉強がはかどるようになる・・・という風に例えられます。

そう考えると「机が広ければ広いほど良い」と考えてメモリー容量が大きければ大きいほどいいんじゃないか・・・?と思ってしまいがちですが、実際には「机」とひとくちに言っても、勉強をする机とパソコン机、趣味に使う机・・・のように作業ごとに分けておいた方が「小さい机でも効率的」みたいなことが起きるものです。

CPUにおいてもこれが適用されるらしく、キャッシュがL1、L2、L3のように用途に応じて細かく分けてある方が効率よく処理を行ってくれる(可能性がある)というわけらしいです。

上で述べた通り、最新世代になればなるほどこういった点も考慮されているので、わざわざ「キャッシュはどうか・・・」などと見る必要はないと思いますが、世代間だけでは判断できないような時にはこれの確認が重要になってくるわけですね。

消費電力の違い

CPUのクロック数というのは温度と密接に関係しています。

クロック数が上がれば処理速度もあがりますが、同時に熱も上がります。
熱が上がり過ぎてしまえば故障に繋がってしまうので、そうならないような設計がされているわけですね。

逆に冷却さえしっかりできれば、5GHzでの処理なども容易だそうで、僕らが使うCPUというのはパソコン周りの温度に対して余裕をもったアプローチから作られていることがわかります。

特にスマホやタブレットに搭載されるCPUの場合、冷却用のファンがついていないことが普通なので、ファンレスで動作するように作られています。
ではどのようにファンレスを実現するかというと、消費電力を抑えることが必要になってくるわけですね。

それだけでなくスマホなどに搭載されるものは「電池持ち」を良くするためにも消費電力が少ない「低電力版」が採用されています。
消費電力を少なくするように作られたCPUであれば、そうでないCPUと同じクロック数が提示されていたとしても、そのクロックで働ける時間が短くなるのは仕方ないことと言えるでしょう。

ちなみに、プロセスルールの細かさというのも消費電力を抑えるのに繋がるそうで、単純に大きなプロセスルールのCPUと比べて処理性能が高まることになります。

CPU性能だけで見てはいけない

以上のように、CPUの性能といってもたくさん見るべき項目があるため、表面上のクロック数ばかりを気にしても意味がないんだということがわかりましたが、実のところ「処理速度」を決めるのはCPU性能だけではありません。

他にチェックすべき部分は以下です。

もはや単一コアあたりの処理は十分足りている

僕らがその端末の性能を見る時に気にする項目の一つにCPUのコア数も挙げられます。
最近の端末でいえば、ヘキサコア、オクタコアが当たり前のようになっていて、中にはデカコア(10コア)というものもあるほどです。

ただ、実はコア数って多ければ多いほど作業が効率化するかというと、全くそんなことはないんです。

コアはよく作業する人の頭数のように考えられるので、1人よりは2人、2人よりは4人いた方が作業が早く終わる・・・のように例えられます。
ただ、問題は作業の方が人数に対応していないことが多く、たくさん人がいても持て余してしまうというのが現状と言われているのです。

例えばコンビニに店員が10人いても、お客さん1人あたりを対応する時間は店員が1人の時と変わらないのを考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
レジが10台あれば最大10人までは同時に対応できますが、レジが2台なら残り8人は時間を持て余してしまいますし、レジが2台あってもお客さんが1人しか来なければ9人もの人の配置が無駄になるわけです。

実際、単一コアあたりの処理性能で考えると、もはやこれ以上の性能があがっても意味がないとも言われています。
それよりもむしろ、1つのコアで2つの作業がこなせるような造りの方が、逆に効率がいいんだとか(このあたりは自信ないですがw)

Core-M3は2コア4スレッド、Atom x7は4コア4スレッドですが、CoreMの方が性能面に長けているのはこういったところも関係しているのかもしれません。

グラフィック性能の違い

SoCの性能を見る時にCPUスペックばかりを見てしまいますが、忘れてはいけないのはGPUスペックです。
昔のパソコンはそれこそCPUはCPU、グラフィックは別途グラボを挿すというのが普通でしたが、最近はGPUもSoCに組み込まれて考えられます。

詳細は調べていないので省きますが、Core-M3とAtom x7だとGPUの世代も一つ違うので、画像処理に関する性能の違いが現れるのも当然です。

ストレージ速度の違い

僕は自分のパソコンのハードディスクをSSDに交換した時に、下手にCPUをクロックアップするよりも大きな処理速度の違いを感じた経験があります。
事実、CPU性能の低さによる処理の遅延というのは普段の作業においてほとんどないと言われており、こうしたストレージインターフェース部分での遅延というのが問題であることが多いそうです。

これは飲食店においてのキッチンとホールの人員配置(または性能)バランスで例えるとわかりやすいです。

CPU性能をキッチンのシェフの能力、ストレージ性能をホールの能力と仮定します。
お客さんからオーダーが入ったとき、キッチンでいくら高速に料理が出来上がっても、ホール担当者の効率が悪い、運ぶ速度が遅い、他のお客さんの対応をしている・・・などがあればその料理はいつまで経ってもキッチンから運び出されないことになりますね。
結果、「この店は料理が出てくるのが遅い」となってしまいます。

スマホやタブレット用のSoCはより低電力に動作させられるeMMC用に作られており、SSDと比べると転送速度が落ちる傾向にあるため、どれだけCPUの処理性能が高くとも効率的に作業をこなせない可能性があるわけです。

おわりに

以上のように、CPUの見た目的なスペックだけでは処理性能を決めることは難しく、結局のところコア数やクロック数が高くとも性能面では劣るというCPUが存在するのは何らおかしなことではないということですね。

付け焼刃的な説明になってしまいましたが、僕が疑問に思っていたことが解消されたので、誰かの参考になればと思い書き残しておきます。

記事を書くにあたって以下のサイトを参考にさせて頂きました。
むしろこっちを読んだ方がわかりやすいので、是非w
[参考]いまさら聞けないCPU性能の常識、非常識(動作周波数、マルチコア、キャッシュなどと実際の性能の関係について)
[参考]Surface 3でAtom x7-Z8700の実力をチェック | 笠原一輝のユビキタス情報局

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